タッチポイントWeb編集部

ホームページ制作をフリーランスに依頼する前に確認したい選び方5つ

ホームページ制作をフリーランスに依頼する前に確認したい選び方5つ

ホームページ制作をフリーランスに依頼する前に確認したい選び方5つ

公正取引委員会・厚生労働省が令和6年5〜6月に実施し、同年10月18日に公表した実態調査では、取引条件が口約束のみで書面等が明示されない問題を経験したフリーランスが45.5%、そのうち63.3%が「改善されていない」と回答しています。ここから見えてくるのは、フリーランスへの直接発注が危ないという話ではなく、条件が曖昧なまま進む発注が危ないという事実です。選び方の要点は、実績・対応範囲・進め方・納品後の4つが依頼前にどれだけ具体的に見えているか。そして発注者側にも、条件を記録に残して明示するという実務があります。費用相場は代表的な幅だけ先に押さえ、この記事では選び方に紙面を割きます。

ホームページ制作をフリーランスに頼むと、費用と進め方はどう変わるか

費用は「規模」と「作り方」で決まる(相場の目安)

フリーランスへの依頼総額は10万〜30万円という紹介が、複数の制作系メディアで見られます。ただしこれらは各社が独自にまとめた目安であり、公的な統計に基づく数値ではありません。参考として、よく示される区分は次のとおりです。

  • テンプレート利用・簡易サイト: 2〜5万円(出典: levtech.jpcsplan.jp
  • 名刺代わりのサイトやLPなど小規模: 3〜10万円(出典: web-kanji.comxserver.ne.jp
  • 集客用の小〜中規模(更新機能あり): 10〜30万円(出典: 同上。この10万〜30万円という帯は、フリーランスに依頼した場合の総額の目安として複数の媒体が挙げています。stock-sun.comimitsu.jp
  • オリジナルデザイン・大規模: 30〜100万円(出典: web-kanji.com/levtech.jp/csplan.jp)
  • 公開後の月額保守: 1万〜3万円(出典: web-kanji.com)
  • 参考として制作会社の場合: 30万〜300万円超(出典: web-kanji.com/biz.ne.jp

同じ「5ページのサイト」でも幅が大きくなるのは、デザインをどこまで作り込むか、CMS(WordPressなど、管理画面から更新できる仕組み)を入れるか、原稿と写真をどちらが用意するかで、必要な作業量がまったく変わるためです。金額だけを比べても意味がないのは、前提の作業量が揃っていないからです。

金額差の正体は、間に入る人数と間接コスト

制作会社の見積もりには、ディレクター・デザイナー・コーダーといった複数名の分業に加え、営業や案件管理、オフィスなどの間接コストが含まれます。フリーランスに直接依頼した場合、その多くが省かれます。クラウドソーシングやマッチングサービスを経由する場合は、プラットフォームのシステム利用料や仲介の仕組みが取引に介在します。

つまり、安いから得で高いから損という話ではなく、何にお金を払っているかが違うだけです。分業体制には明確な合理性もあります。ページ数が多い案件、複数部署の調整が必要な案件、公開後も長期間にわたって手を入れ続ける案件では、担当者が交代しても回る体制のほうが結果的に安く済むことがあります。

選択肢の一形態として、間に事業者が入らず、発注者と作り手が直接やり取りする形もあります。タッチポイントWebはその形の場のひとつです。どれが正解かは案件の性質で変わります。

フリーランスに頼むメリットと、正直に言っておきたいデメリット

メリット:意思決定が短く、作り手と直接話せる

第一に、決裁と伝言が挟まらないため、仕様変更や質問の往復が速くなります。「この部分を変えたい」が当日中に反映されることもあります。

第二に、作り手本人が要件を聞くため、伝言による意図の欠落が起きにくくなります。営業担当が聞いた話が制作者に届くまでに薄まる、という現象が構造的に発生しません。

第三に、予算規模が小さい案件でも受けてもらいやすいこと。そして費用の内訳が、誰のどの作業に払っているのかという形で見えやすいことも実務上の利点です。

デメリット:一人であることの限界は、契約では消せない

対応領域には限界があります。デザイン、コーディング、原稿執筆、写真撮影、SEO、広告運用のすべてを一人で高い水準で担える人は多くありません。得意領域の外は、品質が落ちるか、その人がさらに外注するか、対応範囲外になるかのいずれかです。

リソースにも上限があります。同時に抱えられる案件数には物理的な限りがあり、繁忙期に依頼すれば着手が後ろにずれます。さらに、代替要員がいないため、体調不良や家庭の事情がそのまま納期に影響します。組織であれば人を入れ替えて吸収できる部分が、吸収できません。これは契約書の文言では消せない構造的な制約です。

経験差の読みにくさもあります。公開の場では、駆け出しの時期に技術的に未熟だったと率直に振り返る作り手の投稿もあれば、経験の浅い相手に依頼して噛み合わなかったという発注側の声も共有されています。年数や肩書きだけでは判断できないため、次章の読み解き方が必要になります。

大規模なサイト、厳密な納期が動かせない案件、24時間の運用体制が必要な案件では、制作会社やチーム体制のほうが合っています。ここは無理に個人へ寄せないほうが安全です。

フリーランスの選び方:依頼前に確認したい5つの判断軸

1. 実績は「何を作ったか」ではなく「誰の何を解決したか」で読む

制作物の一覧を眺めるだけでは、その人の力は測れません。見るべきは次の3点です。

  • その案件で本人がどの役割を担ったか(デザインまでか、コーディングだけか、企画から入ったか)
  • 発注者がどんな事業規模・業種だったか(自分の案件と近いか)
  • 何を目的に作られたサイトか(採用、集客、名刺代わり、EC)

実績の見せ方そのものも判断材料になります。作った理由や当時の課題まで書いている人は、依頼時にも同じ言語で会話できる可能性が高くなります。逆に画像が並んでいるだけの実績集からは、担当範囲すら読み取れません。

確認メッセージ例: 「掲載されている◯◯の制作では、どこからどこまでを担当されましたか。企画やライティングも含まれていましたか。」

2. 対応範囲の境界を、契約前に一つずつ確認する

曖昧になりやすいのは、作業と作業のあいだにある境界です。次の項目は、そのまま質問リストとして使えます。

  • デザインカンプの作成はどこまで含まれるか
  • 原稿(テキスト)は誰が書くか
  • 写真・素材の手配と、有料素材の費用負担はどちらか
  • サーバー・ドメインの契約と設定は誰が行い、名義は誰にするか
  • CMSの管理画面の使い方レクチャーはあるか
  • 公開後の更新は自分で行うのか、都度依頼するのか

「できます」と即答する人より、「ここまでできて、ここからは範囲外です」と線を引ける人のほうが、進行中の齟齬が少なくなります。範囲外だと言われた作業は、別の人に頼むか自分でやるかを最初から計画に入れられます。

確認メッセージ例: 「原稿と写真はこちらで用意すべきでしょうか。範囲外になる作業があれば先に教えてください。」

3. 見積もりは「一式」ではなく工程で割れているかを見る

見積もりの粒度は、そのまま進行管理の粒度になりやすいものです。設計・デザイン・実装・CMS構築・テスト・公開作業が分かれているか、修正回数と範囲が書かれているか、追加費用が発生する条件が書かれているかを見ます。

「ホームページ制作一式 ◯◯円」とだけ書かれた見積もりは、後から「それは範囲外です」が発生しやすくなります。どこまでが無料修正でどこからが追加費用かが曖昧なまま進むと、認識のズレがトラブルに発展しやすいことは、制作系メディアでも共通して指摘されています。金額の安さより、範囲が明示されていることを優先してください。

確認メッセージ例: 「お見積もりを工程ごとに分けていただけますか。修正は何回まで無料で、どこから追加費用になりますか。」

4. 進め方(コミュニケーションの型)を先に聞いておく

タッチポイントWebに掲載中のあるコーダーは、意図を確認しながら一緒に形を整えていくことを重視し、認識がズレそうな点があればそのまま進めずに確認を入れる、と自身の進め方をプロフィールに書いています。別の掲載者は、言われたものを作るだけでなく、常にプラスアルファの提案ができないかを考えている、と書いています。こうした進め方の記述は、依頼前に読める判断材料です。

発注者側から確認しておくとよいのは、連絡手段(メールかチャットか)、返信の目安時間、定例打ち合わせの有無、進捗の共有方法、決定事項をどこに残すかの5点です。返信が速い人が良い人という単純な話ではなく、反応の目安を先に言える人のほうが予測可能で、こちらも予定を組みやすくなります。

確認メッセージ例: 「連絡はチャットとメールのどちらが早いですか。返信の目安時間と、決定事項をどこに残すかも決めておきたいです。」

5. 納品後どうなるかを、依頼前に説明できるか

サイトは、公開してからのほうが長く使われます。作ったあとの話を自分から語れるかどうかが、大きな分かれ目になります。

確認すべきなのは、保守の有無と月額、軽微な修正の扱い、更新方法のレクチャーや手順書の有無、そしてその人が対応できなくなった場合に他の人が引き継げる状態か(使用技術や構成の説明があるか)です。

掲載者のなかには、バンドサイトの制作時にクライアントの更新作業への不安を察知し、独自の更新マニュアルを添えて納品したというエピソードを書いている人もいます。納品後をどう考えているかは、掲載者ごとに書き方がかなり違います。実際の書き方を読み比べたい場合は、#Webサイト制作 の掲載者一覧が参考になります。

確認メッセージ例: 「公開後の更新は自分たちで行いたいのですが、手順書やレクチャーはお願いできますか。保守をお願いする場合の月額も教えてください。」

「途中で連絡が取れなくなる」を、事後対策ではなく選ぶ段階で減らす

まずは、誰に頼んでも必要な「事後の備え」

相手が個人でも会社でも、次の備えは共通して必要です。

  • ドメイン・サーバーは発注者自身の名義で契約する。制作者に代行させたままだと、契約終了後に自社で継続使用できなくなるリスクがあります(出典: itadaki.co.jp)。
  • 著作権の扱いを契約書に書く。制作物の著作権は原則として制作者側に帰属するため、納品後に自社で改修・二次利用したいなら、譲渡またはライセンス許諾を明記しておきます(出典: kigyobengo.com)。
  • ソースコードと、管理画面のIDとパスワードを納品時に自分の手元へ揃える。
  • 使用しているテーマ・プラグイン・構成を、簡単な書面で残してもらう。他の人が引き継げる状態にしておくためです。
  • 支払いは分割にする。着手金の支払い後に連絡が途絶えた例が報告されているため、着手時に全額を先払いしない設計にしておくと被害を限定できます(出典: pepinc.bizzero-s.jp)。

そのうえで、選ぶ段階で「見えている情報の量」を確認する

先に書いておくと、連絡不通のリスクをゼロにする方法はありません。相手が個人でも会社でも、事業をたたむことも、体調を崩すこともあります。減らせるのは、判断材料が足りないまま決めてしまうことだけです。

そして、判断材料の量は探し方によって変わります。依頼前に見える情報の種類が、方法ごとに違うためです。

  • クラウドソーシングやマッチングサービス: 母集団が大きく、契約や支払いの手続きが整っています。一方で事前に見えるのは提案文と価格、評価が中心になりやすく、プラットフォームの手数料構造が取引に介在します。
  • 知人や取引先からの紹介: 人柄についての情報は多く得られますが、母集団が小さく、条件が合わなかったときに断りにくさが生まれます。
  • 本人が公開しているプロフィールから直接連絡する(SNS、本人のサイト、掲載型メディア): 実名・経歴・実績・仕事観・連絡先まで事前に読める場合がある一方、探す手間は発注者側が負います。

どれが優れているという話ではなく、見える情報と手数料構造が違うという整理です。匿名アカウントと価格提案だけで判断する状態と、実名や実績、仕事の進め方まで公開された状態で判断する状態とでは、発注者が持てる材料の量が単純に違います。依頼前に見える材料の量と種類は、どこで探すかによって変わります。

タッチポイントWebは、フリーランスと発注者が仲介手数料なしで直接つながれる場です。運営は掲載内容にもやりとりにも関与しない中立の立場のため、掲載者本人が公開した情報をもとに、発注者が自分の基準で判断して直接連絡する形になります。読んで判断するのは発注者側の仕事であり、そのぶん材料は最初から開いています。

発注者側にも義務がある:フリーランス新法で何をすればよいか

2024年11月1日に施行された法律の要点

通称フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)、正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が、2024年11月1日に施行されました(出典: 公正取引委員会 特設サイト政府広報オンライン)。

従業員を使っていないフリーランスへ業務を委託する場合、発注者側にも取引条件を明示する義務が生じ得ます。ホームページ制作の発注も対象になり得ます。個別の事案が適用対象かどうかは条件によって変わるため、実際に発注する前に公的資料で確認しておくと確実です。

認知度はまだ高くありません。この法律名を「知らない」と回答した割合は、委託者側で54.5%、フリーランス側で76.3%でした(公正取引委員会・厚生労働省調査)。発注する側が知らないまま進めている取引が、まだ相当数あるということです。

実務として発注者がやること

やることはシンプルです。依頼内容、報酬額、支払期日、納期、成果物の内容などを、書面またはメール・チャットなど記録に残る形で直ちに明示します。電話で決めた内容も、その日のうちに同じスレッドへ文字で残しておけば足ります。

支払期日については、成果物を受け取った日から起算して定められた期間内に設定する必要があるため、社内の支払いサイクルと合うかを事前に確認しておいてください(詳細は中小企業庁の資料にまとまっています)。発注後の仕様変更も、口頭で済ませず同じスレッドに残します。

冒頭で触れた45.5%という数字を思い出してください。条件を記録に残す形で明示することは、法対応であると同時に、発注者自身をトラブルから守る最も安い保険でもあります。

サイト制作を丸ごと任せるか、職種を指定して頼むか

依頼の形はひとつではありません。設計・デザイン・実装・進行管理をまとめて一人に任せる形もあれば、役割を分けて別々に発注する形もあります。

デザインカンプがすでにある場合や、既存サイトの改修だけを頼みたい場合は、実装だけを切り出してコーディングに強い人へ職種を指定して頼むほうが、早く安く済むことがあります。この形についてはコーダーに直接依頼する方法で詳しく整理しています。

反対に、社内の関係者が多い、要件がまだ固まっていない、複数の外注先を束ねる必要があるといった案件では、要件整理と進行管理を担える人に入ってもらう形が向きます。こちらはWebディレクターに直接依頼する方法が参考になります。

見分ける簡易な問いは、「作るものはもう決まっているか、まだ決まっていないか」。決まっているなら実装中心の人へ、決まっていないなら決める工程から入れる人へ、と考えると外しにくくなります。

作り手は何を大事にしているか(掲載者の言葉から)

選び方の話をしてきましたが、実際にどんな粒度の情報が読めると判断しやすいのか、掲載者本人が公開している言葉から見てみます。

タッチポイントWebに掲載中のあるShopifyコーダーは、クライアントと共に作って終わりではなく活きたサイトをつくる、とプロフィールに書き、即レスと分かりやすいコミュニケーション、フットワークの軽さを自分の強みに挙げています。返信の速さを自分から明言している人には、進行のテンポを事前に想像しやすくなります。

別の掲載者は、創ったものがその人の手に馴染んでいくこと、長い時間その人の役に立つことを制作の軸に据え、管理画面の使いやすさまで見据えて作ると書いています。納品後に自分たちで更新していきたい事業者にとっては、この一文だけでも相性の判断がつきます。

どちらも、運営が評価した内容ではなく、掲載者本人が自分の言葉で公開しているものです。こうした言葉を自分で書いている人かどうかを、発注者が読んで判断できる状態にあること。それ自体が、選び方の質を左右します。

まとめ:選び方の質は、依頼前に見えている情報の量で決まる

依頼前に確認したい判断軸は次の5つです。

  1. 実績は、担当範囲・発注者の事業規模・サイトの目的まで読む
  2. 対応範囲は、原稿・写真・ドメイン名義・公開後の更新まで境界を確認する
  3. 見積もりは工程で割れているか、修正回数と追加費用の条件が書かれているかを見る
  4. 進め方は、連絡手段・返信の目安・決定事項の残し方を先に聞く
  5. 納品後の保守・レクチャー・引き継ぎ可能性を、依頼前に説明できるかを見る

あわせて、ドメインは自分名義、著作権は契約書に明記、ソースコードと管理画面は手元に、支払いは分割にという事後の備えを。そして発注者側の実務として、条件は記録に残る形で明示する。

フリーランスに頼むことが危ないのではありません。判断材料が足りないまま決めることが危ないのです。

選び方の基準が決まったら、あとは実際の人を読んでみるのが早い段階です。


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この記事はタッチポイントWeb編集部が執筆しました。